失敗しない飲食店開業 廃業になるリスクを徹底的に抑える5つの法則
飲食店の廃業率は他の業種と比べて平均的に高いです。
それは参入障壁が低く誰でもお店を開く事ができる為競合が多いからです。
そんな飲食店を開業するにあたって廃業のリスクを抑える方法をご紹介します。
この記事はとにかく廃業に追い込まれずに長く飲食店をやっていきたいと思う方は是非最後まで見て頂きたいです。
(記事のイメージの店舗は夜のレストラン、居酒屋業態です)
飲食店の失敗のリスクを抑える方法は次の5つです。
- テナントは居抜き物件で家賃の低い場所を探すか住居付きテナントを買う
- 店舗の坪数は15坪以内を選ぶ
- 配偶者がいる場合は夫婦二人で切り盛りする
- 高クオリティの料理、接客、サービスを提供して高単価のお店にする
- 売上の入り口を複数用意する
以上の5つを全て抑えられればまず廃業に追い込まれる事はないはずです。
5つ全てを抑えられなくても、リスクを最小限に抑えたい方は上記の5つを意識してお店を作りましょう。
では一つづつ説明していきます。
テナントは居抜き物件で家賃の低い場所を探すか住居付きテナントを買う
店舗物件を探す場合は居抜き物件を探すか、自宅兼店舗を買うか借りるようにしましょう。
これは初期投資と家賃を抑える為です。
スケルトン物件を1から工事を入れて開業するのと居抜き物件をリフォームして開業するのでは初期投資の額が全く変わってきます。
また家賃の安いところなら毎月の固定費も安く抑えられ資金繰りが楽にできるようになります。
自宅兼店舗を選ぶ理由を同じです。
1階が店舗、2階が住居になっている物件を探すか、1階を店舗にして家を建てるようにすれば、通常なら店舗の家賃と自宅の家賃を2つ支払わなければならないのですが、1階が店舗の自宅なら家の家賃(ローン)のみで済みますので毎月の固定費を抑える事ができます。
今は昔のような立地条件、つまり人通りが多い路面店が良い立地という時代ではないので1等地や2等地、の坪単価3万円以上もする場所で店舗を借りるメリットはあまりなくなりました。
それはSNSの普及によりお店を見つけやすくなったからです。
したがって家賃が安い=人を集めづらいという事はないので、わざわざ家賃の高い物件を選ばなくても良くなりました。
店舗の坪数は15坪以内を選ぶ
店舗が広いという事はやはり家賃が高いという事です。
そして配置しなければならない人員も多くしなくてはならないという事で、人件費がかかります。
店舗が広いメリットとは何でしょう?
それは客席を多く取れるという事です。
しかしその多くとれた客席もそもそもお客様が来店してくれなくては意味がありません。
しかも、もし混んできたらと考えたら通常お店に配置するスタッフも多くなります。
これは低調な時でも混んできた時も変わりません。
お店が広く、でも今日は混まないだろうと考えてスタッフを少なく配置したせいで、お客様を満足させる事が出来なかった、最悪クレームにまで発展することになります。
そうした事を考えると必ずしも大きい店舗の方が良いというわけでもなく、リスクを抑えるなら小規模の店舗で営業するべきなのです。
15坪、10席〜20席くらいのお店なら最低2人で回す事が可能です。
人員の配置は10席に対して1人のスタッフが基本なので10席のお店なら1人で切り盛りし、20席なら2人で営業できます。
一応、20席なら3人はスタッフが必要な場合もありますが、15席前後なら完璧に2人で回せます。
配偶者がいる場合は夫婦二人で切り盛りする
もし結婚していて、奥さん、もしくは旦那さんがいる場合出来れば夫婦二人で切り盛りするようにしましょう。
理由はもちろん人件費を抑える為です。
先ほど述べたように小規模の店舗で席数が15席程度なら2人で切り盛りする事ができます。
スタッフを雇う必要がないのでその分の人件費が発生しません。
また、スタッフを雇った場合急な用事や体調不良の理由で欠勤する場合があります。
その場合代わりのスタッフに出勤してもらう等の対応が必要ですが、それもできない場合どうする事もできなくなってします。
家賃や人件費が多いという事はその分売上を作らなくてはならないという事ですが、夫婦2人で切り盛りすればどちらかが体調が悪くなった場合などはお店を休んでしまえば良いのですから。
高クオリティの料理、接客、サービスを提供して高単価のお店にする
お金をもらって料理やサービスを提供するという事ですから、お客様には満足して貰わなければなりません。
その為に美味しい料理や丁寧な接客をする事は当然ですが、注意してもらいたいのがお店の価格を安く設定してはいけません。
お客様が来店して支払う平均額を客単価と言いますが、この客単価を最低でも5000円、出来れば10000万円以上に価格を設定するようにしましょう。
これにはしっかりとした理由があります。
- 席数が少ないという事はその分客単価を上げなければ利益が出ない
- 低単価だと料理の原価を抑えなければならず品質の高い料理が作れない
- 低単価になると価格競争になる為どんどん値下げをしていき利益が薄くなり他に経費が使えなくなる
- 客層の品位を一定以上に保つ為
以上が主な理由となります。
小規模店舗という事は席の確保が難しい為1席あたりの単価を上げるか、席を回転させてお客様を多く来店させなければなりません。
席を回転させると言ってもお客様がいつ帰るかお店には分からないのでお店の努力ではどうしようもないのです。
ビジネスとはお客様に満足してもらいその対価としてお金を頂きます。
という事はお客様には満足してもらう事は絶対です。
そうなると当然美味しい料理を出す事は当たり前のことですが、低価格の場合利益を出す為に原価を抑えなければなりません。
原価を抑えるという事は使える食材に制限が出たりするので本当に美味しく高品質な料理を作れなくなります。
また、利益が少なくなると広告費や何かあったとき(厨房機器が壊れたなど)に現金が使えなくなるのでしっかりと利益を出して貯めるようにしましょう。
客単価が低いお店というのはモラルが低いお客様が来る可能性が高いです。
(例)クレーマー、泥酔してお店や他のお客様に迷惑をかける人、他のお客様に絡む人など、、、
反対に客単価の高いお店はそういった方が来る可能性が低くなります。
これは今までの店舗経験でも感じている事ですし、データ上での実績においても確かな事です。
モラルの低いお客様は他のお客様の満足度を下げてしまいますので、そういった方が来ないお店を作りましょう。
ありがちなのが、来店客数が落ちて値下げをし、客単価を下げた事でモラルの低い方が来店するようになり本来きて欲しい良いお客様がこなくなる。
こういった事がないようにお店の品位を保つ為にも客単価は高く設定してお客様は選ぶようにしましょう。
それは矛盾するようですがお客様に満足してもらえる結果になります。
あとこれは心理学的な話になりますが、客単価が高いお店はお客様自身が満足できたと納得するように考える為結果として満足度が上がります。
読者自身にも覚えがあると思いますが、例えば高いレストランへ行って自分は美味しいと思わなくても「こんなに高い料理なら一般的には美味しいのだろう」と納得した事はありませんか?
反対に単価が低いお店だと初めから「この値段ならこの程度だろう」と低い評価が値段だけで付けられる事もあります。
そういった意味でも価格や安く設定してはいけないのです。
売上の入り口を複数用意する
夜の売上だけでお店を運営する事は非常に危険です。
もちろん夜の営業というのは客単価も高く利益率が高いので、集中して頑張るのは良いのですがその売上に頼ると万が一、夜の売上が無くなってしまうと収入が無くなってしまうからです。
そうならない為にも夜の売上だけで無く他の売上を作る事も考えましょう。
例としては料理教室やお弁当配達などです。
ランチ営業もありますがあまりお勧めはしません。
利益率がやはり少なくなりがちなので労力の割にメリットが少ないからです。
料理教室は高単価でクオリティの高いお店でしっかりとお店のファンを作る事が出来れば来てくださる方は必ずいらっしゃいます。
お店のメニューを教えても良いですし、料理教室限定のメニューでも良いです。
ファンになってくれた方は例えレシピが分かっても「やっぱりこのお店で食べたい」と思う為、お店のメニューのレシピを教えても何の問題もありません。
料理教室を開催して、来てくれた方がしっかりと満足して貰えたらむしろ来店頻度は多くなります。
また高単価のお店に来る方は富裕層が当然多く、時間的余裕、金銭的余裕もあるのでこういった料理教室などは相性が良いのです。
あとはお弁当配達ですが、これは会議用弁当やロケ弁など1食1000円以上の単価のお弁当を作るようにしましょう。
突発的に入る事の多い弁当ですが、これも高クオリティでしっかりとお客様が満足できれば定期的に入るようになり安定した収入源となります。
まとめ
-
居抜き物件を利用して初期投資を抑える
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住居兼店舗で家賃を抑える
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小規模の店舗、夫婦2人でお店を回す
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お客様に満足してもらえるサービスを提供して、客単価を高くする
-
夜の営業売上に依存せず複数収入源を作る
最後に小規模店舗だと利益がそんなに無いじゃないかと思う方に簡単に計算をしてみます。
飲食店の売上は「客単価×席数×回転数」です。
主な経費は「家賃+人件費+原価」です。
原価率は30%とします。
客単価1万円の場合
(客単価)10000円×(席数)10席×(回転数)1回転=100000円
営業日数 月20日の場合
100000円×20日=2,000,000円
経費
(家賃)150000円+(人件費)夫婦だけなら0+(原価)600000円=
750000円
(売上)2000000円-(経費)750000円=1250000円
他にも細かい経費がかかりますが上記の客単価、家賃、原価なら夫婦2人で大体100万円は残ります。
如何に経費を抑えるかという事を必ず意識して単価を上げるように考えましょう。